今後の期待が高い治療アプリとは

治療用アプリ

新たな治療方法

今までの治療は、薬剤と手術が主流でした。入院すると、点滴を使い、内服薬を調整。必要であれば手術を受けます。そして、ある程度回復したら退院という流れが一般的です。また、外来では、診察をし、処方をするほかに、食事指導や運動指導を行い、施す治療は薬剤とカウンセリングが主流でした。そして、IT技術の発展により「アプリで治療をすることが」新しい治療方法として注目されています。

治療用アプリとは、アプリで疾患の治療をしていく医療機器のことです。そもそも治療とは、「手当てなどをして病気・怪我を直すこと。」であり、病気や怪我を治すことができれば方法は多種多様になります。治療用アプリとは、IT技術によって実現できた新しい治療方法になります。ご存知の通りアプリは、スマートフォンにダウンロードして、使用することができます。治療用アプリは、利用者さんにアプリをダウンロードしていただくことで、疾患の診断や治療・予防をしていくことを目的としています。今回はこの治療用アプリについて深堀りしていきたいと思います。

治療用アプリと法律の話

医療業界は、安全に治療がおこなえるように様々な制度や法律があります。治療用アプリも治療を行っていくものなので、法律の下で治療を行っています。治療用アプリの定義は、アプリで疾患の治療をしていく医療機器です。治療用アプリは、医療機器として分類されています。医療機器とは、人間か動物につかうもので疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的の機器のことを指します。治療用アプリは、医薬品医療機器等法の元で治療を行っています。2014年に医薬品医療機器等法が改正し、予防・診断・治療を目的としたアプリ・ソフトウェアも医療機器に認定されました。この法改正は、治療用アプリが、新たな治療方法として認可されたことを指します。治療用アプリは法律を変えるほど注目集めるようになってきます。また、アカデミアでも注目されてきており、今後もさらなる展開が予想されます。(参考)

治療用アプリのメリットとデメリットはなにか

治療用アプリのメリットは、インターネットという特徴を大きく使ったものが多いです。下記が治療用アプリのメリットになります。

  • 内服や手術といったように体に直接なにかを当たらえるものではないため、副作用が起きにくい
  • 物質的ではないため、安価。時間に縛られず、場所にも縛られない。
  • 利用状況が確認でき、そこから学習を行うことができる。また、リアルタイムが情報共有が行える。
  • 1つの機能ではなく、複数の機能を含有できる。
  • 研究機関や研究コストが抑えられる。

治療用アプリのメリットは、IT技術の特徴的なものと同質です。IT技術は、場所や時間にとらわれないことを特徴としています。治療用アプリはこの特徴を活かして、治療をおこなっていきます。治療用アプリの特徴は、点滴や内服、疾患指導と比較すると、「場所の制限がないこと」「時間の制限がないこと」「機能の制限がないこと」です。詳しく見ていきましょう。

「場所の制限」がないこと。アプリは、物質ではないために、病院外、ないしは日本、世界中まで拡散することができます。薬や点滴なども外に運べていましたがアプリほどの拡散性はなく、時間も必要となっていました。また、物質ではなく、低侵襲であるため、副作用が起きにくく、研究機関や研究コストが低く抑えられることも強みです。ウェアラブルデバイスとも連携することができ、ダウンロードしたスマホ本体だけではなく、他のウェアラブルデバイスなどにも共有することができます。

「時間の制限」はなく、利用者が寝ているとき、運動しているとき、関係なく常に働くことができます。この「時間の制限」がないことで、利用状況を把握することができます。その利用状況から学習し、情報共有を行えたり、改善にもつながっていきます。

「機能の制限」がないことも強みです。薬では、ある症状に対して限定的に治療をするという機能を持っていました。アムロジピンといったら血圧を下げる薬といったように。しかし、アプリは、ある症状に対して限定的に治療をするという機能は同じですが、それに加味してティーチング機能やトラッキング機能、アラート機能を追加することができ、個別に機能選択ができます。

治療用アプリは、医療の概要で述べたように「場所の転換期」、「時間の転換期」の変化を表しています。これからの治療は、場所、時間に縛られないものに変化していくと思います。治療用アプリの治療方法は、医療の拡大を示しています。日常生活に医療が入り込むことで、私生活のいかなる面に対して治療を行っていくことが可能になります。

治療アプリの現状と展望

2020年日本で初めてCureApp社の治療アプリが医療機器として認証され、保険適応になりました。「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCO チェッカー」は、ニコチン依存症の心理的依存にアプリを通じてアプローチしていき、行動変容を促し、正しい生活習慣に導いて治療していきます。*詳細ニコチン依存症だけではなく、サスメド社の不眠症治療アプリ田辺三菱製薬のうつ病「こころアプリ」といったように治療用アプリは、様々な疾患に対して多くの種類が増えてきています。

 アプリ単体だけではなく、ハードとセットで治療していく方法もあり、他のデバイスと関連した治療が行えるようになってきています。しかし、アメリカと比較すると、2010年にWelldoc社の糖尿病治療アプリが承認されており、日本は10年遅れています。これからアメリカと同様に、日本でも治療用のアプリが研究・開発されていくと思います。

まとめ

治療用アプリは、「場所の制限」、「時間の制限」がないため、医療に「場所の転換期」「時間の転換期」をもたらすことが可能です。あくまでも目的は「利用者さんのよりより健康と医療選択」であることを忘れてはいけません。手段の目的化に留意して、今後も新しい医療を作っていくことが重要です。

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